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自然発酵種パン

liebito
 厳しい寒さから一転、季節が進み桜の花咲く頃の陽気になりました。野菜の緑も濃くなり、梅のつぼみも一部ほころび始めました。
 最近スーパーのパンコーナーには「天然酵母」という言葉がよく見られますが、私は以前からこの「天然酵母」という言葉に違和感を抱いていました。他の多くのパンに使用される「イースト」も自然界の野生酵母を大量に培養したもので、化学合成物ではなく「天然酵母」と同じ「Saccharomyces cerevisiae(サッカロマイセス セレヴィシエ)」であり、その発酵力や香り味に違いはあるものの「天然酵母」は培養土が天然物100%、イーストは化学物質も併用している点が違うだけで、両者とも単一酵母のみ選別し、大量に繁殖させるという自然界では起こりえない環境を作り出している点においては同一と考えられるからです。
 それに対し伝統的なフランスのルヴァン種(小麦)、ドイツのサワー種(ライ麦)、レーズンの発酵種などの「自然発酵種」は、多種類の酵母が乳酸菌を始めとする多様な微生物と共存しており、野菜造りでも単一の野菜のみ作る畑より、多様な野菜と雑草が共存する畑が自然に近いように、パン種においても「天然酵母」より自然に近い環境が作り出せるのではないかと考えられました。(当店契約農家が書かれた文章を転載)

私の店のパンはフランス産のイーストを使用しています。
何度かレーズンなどから作る発酵種も試した事はありますが、せっかくできたパン種を管理していくことができませんでした。
今回の農家からの手紙を読み、今度は麹からパン種を起こしてパンを焼いてみようと思います。

Posted on 2013-02-25 | Posted in BlogComments Closed